2017/09/02

激しい雨の音で目が覚めた。台風が近づいていることは知っていたけど、ここまで影響があるとは思わなかった。時計は6時前を指していた。行きたくもない労働のために強制される起床時間よりもはやかった。もう一度寝なおそうか、あるいは珍しく朝食でも作ろうか。寝ぼけた頭で考えていると、隣からくぐもった声が聞こえた。どうやらおねえちゃんを起こしてしまったみたいだ。ムクリと起き上がるおねえちゃんにボクはごめんね、と声をかける。相変わらず、寝起きのおねえちゃんは目のやり場に困る。どうしたのー、可愛らしく目をこするおねえちゃんは、まだ夢と現実の区別がついていない様子だった。ボクは素直に、雨音がうるさくてと答えた。ようやく目を開いたおねえちゃんは、ほんとだねー、とやはり同じトーンであった。おねえちゃんの、このふわふわとした感じがボクは大好きだ。数秒の間、お互いボーっとした後、おねえちゃんは口を開く。おねえちゃんはもうちょっとだけ寝たいな、桜垣クンは? ボクもそれに賛成し、再び二人で横になる。しかし、雨音は相変わらずうるさくて、気になる。雨音の波がチリチリとボクの皮膚を刺激して、じっとしていられなくなる。寝返りをうつボクをみておねえちゃんは、ねむれないの?と呟く。うん、やっぱり雨音が……。じゃあ、おねえちゃんが聞こえなくしてあげよう。有無を言わさずおねえちゃんの両手が伸びて、ボクの顔を引き込み、おねえちゃんの胸にすっぽりと埋まってしまう。いつもの澄み渡るような甘い香りとは違って、ちょっぴり汗の混じったそれでいて全然不快じゃない香りがボクを包み込み、優しい心音とともに世界のノイズを溶かしていく。まどろみはすぐにやってきて、